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スマ・ブ・ラ三次創作場。オリジなうキャラクターの話し。たまに二次で、サムピトかFF6でティナ受けを描こうと思っています!

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ひとりぼっちの夜
ドトカサ
シリアスです

GDGDです

あぁ、あの日の夢だ。
あたしが助からないと両親に宣言された日。
両親はあたしに背を向けた。元々助からないとわかっていたから愛情もあまり与えられた覚えはなかった。病院に入院っさせたのだって世間体のためだろう。
あたしはずっと孤独だった。病院でも隔離されていて友達もいなかった。
見舞いだって母が義務のように来ているだけ・・・




ひとりぼっちの夜なんて慣れていた



でも、いざ死ぬ間際になって生きたいって欲があった。
もっとおしゃれをして、友達を作って恋人を作って大好きなショッピングをして・・・
だから悪魔たちの声に耳を貸した。





だけどあたしは、いざ死ぬ時がわかると抗った


いやだいやだ、死にたくない

孤独な夜も嫌い

生きたい

一人はイヤ



いやよ・・・



朦朧とする意識、もう声も出ない
機械につながれた体、人工呼吸器の音、心電図・・・・なにも聞こえない





誰もいない部屋の中であたしは死んでいった・・・










「カッサ?大丈夫?」
「・・・パンタローネ・・・?」
「よかった・・・気が付いたな」

目を覚ますとほっとした彼女がいた。
なんで、あたしの家にいるの?

「ドットーレが私を呼んだの・・・お前が風邪で死にそうになってるって・・・」
「え?」
「看病をしていてお前を着替えさせようと思ったらしい・・・が、あの性格だ」
「・・・・あぁ・・・」


べつに気にしなくてもいいのに

「ドット・・・は?」
「今薬を買いに行ってる。もうそろそろ戻るだろう」
「ごめん・・・迷惑かけて・・・せっかくの休日だったんでしょ?」
「ふふ・・・親友のためなら恋人は後回しだ」

その恋人にあたしは殺されるわね。

「ほら、帰ってきた。あとはアイツに任せても大丈夫だろう・・・」
「・・・かえるの?」
「私の手料理を食べたいなら別だが?」
「・・・遠慮するわ、死にたくないもの」

そういってお互い笑っているとドットーレが水を注いだコップと薬を持ってきた。

「おや、起きてたのか?」
「・・うん・・・」
「ドットーレあとはまかせたよ」
「え?残らないのか?」
「私も待ってる人をほっぽり出したんでね。怒らないうちに・・・な。それにあの状態じゃカッサは何もできないさ」

その言葉でドットーレの顔に赤みがさす。ほんと可愛い人・・・熱が無かったら抱きついてからかってあげるのに。

パンタローネが帰るとあたしの体をゆっくり起こして薬を飲ませる。
こういう時の彼は医者の顔をしている。

「めずらしいね、君が体調崩すなんて」
「仕事先の男にうつされたのよ。下見で見に行ってた時にね・・・」
「そっか・・・はい、横になりなさい」
「・・・それにしても馬鹿ね、着替えなんて気にせずすればよかったのに」
「なっ・・・」
「あなたは医者なんだから女性の体くらいなんともないでしょう?」

顔を真っ赤にしている彼にそう告げるとなにか口ごもっていた。

「何?」
「・・・・き、君だから・・・その・・・直視できないんだよ・・・」
「・・・・・・・・・・ば、馬鹿」

顔を赤くして言う彼
こっちまで恥ずかしくなるじゃない

「お、俺お粥かなんか・・・」
「あ・・・」


やだ・・・



気が付いた時には彼の服の袖をつかんでいた



「・・・一人はいや・・・」
「・・・・カッサ・・・?」
「・・・おねがい・・・・もうちょっとだけ・・・・」




あぁ、弱い自分がいる。何やってるのよ・・・
もう一人の夜はなれてるでしょう?


「・・・カッサ」

気がついたら彼はベッドの端に座り私の頭をなでていた。子供をあやす父のように。

「・・・ドット・・・」
「ゆっくり休みなさい・・・ね?」
「・・・うん・・・」

うつらうつらと眠気が襲う。あれだけ寝てたのにと思いつつも私はまた夢の中へと落ちていく

「一人にしないでね・・・?」
「・・・あぁ・・・」









つぎに目を覚ましたのは真夜中だった。

「・・・さすがに帰ったわよね・・・?」

苦笑しながら私は起き上がりびkっくりした。椅子に座ったまま寝ている彼がいた。ナイトテーブルにはお粥を入れた土鍋が置いてある。

「・・・起こせばよかったのに・・・馬鹿ね」

あたしは、毛布を一枚とり彼の上にかけてやる。

「風邪引いたらどうするのよ・・・」

寝顔を見ながらあたしは呟いた。
私の大好きな彼の顔・・・ずっといてくれたのね。




「ありがと」









一人の夜でなくなったこの日はほんと安心できた



FIN

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